助手国民健康保険料の通知を見て金額に驚き、減らす方法をお調べになる方は多いです。所得税の節税を調べているうちに小規模企業共済にたどり着く、という流れもよくあります。



所得税で効いたものが、国民健康保険でも効くとは限りません。計算の仕組みが別だからです。
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回答
国民健康保険料のうち所得に応じてかかる部分(所得割)は、前年の所得から基礎控除だけを引いた金額をもとに計算します。所得税や住民税で使える所得控除は、この計算に出てきません。
小規模企業共済等掛金控除も生命保険料控除も所得控除ですので、掛金を増やしても所得割は変わりません。
これに対して青色申告特別控除と青色事業専従者給与は、所得控除ではなく事業所得そのものを小さくするものです。事業所得が小さくなれば所得割のもとになる金額も小さくなりますので、こちらは国民健康保険料の削減に効果があります。
事業所得そのものを小さくするもの
住民税の所得割の課税標準となる総所得金額は、所得税法の計算の例により算定すると定められています(地方税法313条2項)。国民健康保険料の計算はこの金額を使います。
青色申告特別控除は、租税特別措置法25条の2で事業所得の金額から控除すると定められています。所得を計算する段階で引くものですので、引いた後の金額がそのまま国民健康保険料のもとになります。
青色事業専従者給与は、所得税法57条1項で必要経費に算入するとされています。地方税法313条3項も同じ扱いをします。経費として引かれますので、事業所得そのものが小さくなります。
均等割・平等割の軽減判定
国民健康保険には、所得割のほかに加入者の人数などで決まる均等割・平等割があります。世帯の所得が一定以下であれば、この部分が減額されます。軽減判定と呼ばれるものです。
この軽減判定では、青色申告特別控除と青色事業専従者給与で扱いが分かれます。
- 青色申告特別控除 … 引いた後の金額で判定される
- 青色事業専従者給与 … 引く前の金額で判定される
専従者給与を足し戻すことは条文に明記されています(地方税法703条の5第1項、国民健康保険法施行令29条の7第5項2号)。所得税法57条1項の規定の例によらないものとして計算する、という書き方です。
そのため、専従者給与で所得割を下げても、均等割・平等割の軽減は給与を払う前の所得で判定されます。青色申告特別控除にはこのような除外の定めがありませんので、軽減判定にも効きます。
専従者給与の金額の決め方
国民健康保険は世帯を単位として計算します。専従者が同じ世帯にいる場合、事業主の事業所得が減る一方で、専従者本人の給与所得が世帯の中で増える可能性があります。
所得税だけを見て金額を決めると、国民健康保険料の面では思ったほど下がらないことがあります。金額を決めるときは、世帯全体でどうなるかを確認しておいたほうがよいと思います。
所得の調整以外の道
国民健康保険料の負担を軽くする手段は、所得の調整だけではありません。法人成りして健康保険に切り替える、業種によっては国民健康保険組合に加入する、といった道もあります。
まとめ
- 国民健康保険料の所得割は、前年の所得から基礎控除だけを引いた金額をもとに計算する
- 小規模企業共済や生命保険料控除は所得控除にあたるため、国民健康保険料は下がらない。
- 青色申告特別控除と青色事業専従者給与は事業所得そのものを小さくするので、効果あり。
- 均等割・平等割の軽減判定では、専従者給与は引く前の所得で判定される。
- 専従者給与の金額は、世帯全体で見て決める
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