助手自宅で仕事をされている個人事業主のCさんからのご相談です。今年から消費税の課税事業者になり、申告の準備を始めたところで気づかれたそうです。



所得税と消費税で扱いが分かれるところです。経費に入れているから消費税も引ける、とはならないのです。
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回答
賃貸借契約が居住用(住宅)のままで、貸主と契約変更をしていない場合、事業に使っている分についても仕入税額控除はできません。按分率が高いか低いかは関係ありません。
住宅の貸付けは、消費税では非課税取引とされています。そして、住宅として借りた建物を、貸主との契約を変えないまま借主が事業に使ったとしても、その借受けは課税仕入れに該当しないと通達に定めがあります(消費税法基本通達6-13-8の注)。
所得税のほうで按分して経費にできているため、消費税も同じように引けると考えてしまいやすいところですが、ここは分かれます。
所得税と消費税で扱いが分かれる理由
所得税は、実際の使い方を見ます。家賃のように生活と仕事の両方にかかる支出(家事関連費)でも、業務に必要な部分を明らかに区分できるのであれば、その部分を必要経費にできます(所得税法施行令96条1号)。
一方で消費税は、契約の内容を見ます。契約で住宅とされている貸付けは非課税です。借主があとから自分の判断で一部を仕事に使っても、貸主との関係で払っているのは非課税である住宅の家賃のままです。
払った家賃の中にそもそも消費税が入っていない、ということです。含まれていないものは引けません。控除する消費税額が存在しない、ということになります。
会計ソフトでの税区分
按分した家賃を経費に計上するときの税区分は、課税仕入ではなく非課税仕入です。
課税仕入のままにしていると、消費税の申告額が変わってしまいます。所得税の側では正しく按分できているだけに、気づきにくいところです。
課税仕入にできる場合
事業に使っている部分の家賃を課税仕入にできるのは、次のどちらかです。
- 契約そのものが最初から事業用である場合
- 貸主の承諾を得て、用途変更の契約をした場合。この場合、契約を変更したあとに支払う分から課税仕入になります
なお、店舗等併設住宅をまとめて借りている場合は別の話です。この場合は住宅部分のみが非課税となり、事業用部分は課税仕入になります(消費税法基本通達6-13-5)。もともと契約の時点で事業用部分がある建物なので、居住用として借りた住宅の一部を仕事に使っている場合とは前提が違います。
まとめ
- 契約が居住用のままであれば、事業に使っている分でも家賃の消費税は控除できない
- 按分率の高い低いとは関係がない
- 所得税は実際の使い方を見るが、消費税は契約の内容を見るという違いによる
- 按分した家賃の税区分は非課税仕入
- 課税仕入にできるのは、契約自体が事業用の場合か、貸主の承諾を得て用途変更の契約をした場合
- 店舗等併設住宅をまとめて借りている場合は別の扱いになる
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