助手小さな会社を経営する社長のGさんからのご相談です。共済からお金を借りて、その資金を会社に入れているそうです。



お答えします! ひと工夫が要るところなので、順を追ってご説明しますね。
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回答
まず押さえておきたいのは、小規模企業共済の契約者は「役員個人」だということです。共済にお金を借りたのも、利息を払う義務があるのも、あくまで社長個人。会社ではありません。
ですので、この利息をそのまま会社の経費にすることはできません。
会社の経費(損金)にしたい場合は、次のような形をとる必要があります。
- 会社と役員個人の間で 「金銭消費貸借契約」 を結ぶ(社長が会社にお金を貸している、という契約書を作る)
- その契約にもとづいて、会社が役員個人に利息を支払う
- この「会社が払う利息」が、会社の経費(支払利息)になる
利率は、社長がお金を調達したコスト(=共済の貸付利率)と同じくらいに設定しておくのが自然です。
でも、実務では「無利息」にすることが多い
ここまで読むと「じゃあ利息を払う契約にしよう」と思われるかもしれません。ですが、実際には あえて無利息(利息ゼロ)にしている会社が多い です。理由は、役員個人側の手間にあります。
会社から社長個人に利息を払うと、その利息は社長にとって 「雑所得」 になります。つまり、社長個人の確定申告に乗せる必要が出てくるのです。
ここが落とし穴:同族会社の役員は「少額でも申告が必要」
ふつう、給与所得者は給与以外の所得が 年間20万円以下なら確定申告は不要 とされています。「利息なんて年に数百円だから申告しなくていいだろう」と思いたくなるところです。
ところが、自分が経営する会社(同族会社)の役員が、その会社から貸付金の利子を受け取る場合は、この20万円ルールが使えません(所得税法施行令262条の2)。たとえ利息が年に数百円・数千円でも、金額にかかわらず確定申告が必要になります。
数百円の経費を作るために、毎年の確定申告が必要になる——これでは割に合わないケースが多い。だから実務では「役員から会社への貸付は無利息」とするのが一般的なのです。
なお、無利息で会社に貸しても、会社側で課税の問題が生じることは原則ありません。ただし貸付額があまりに大きいと問題になった事例もあるので、金額が大きいときは一度ご相談ください。
まとめ
- 小規模企業共済の借入利息は、契約者が役員個人なので、そのままでは会社の経費にできない
- 会社と役員で金銭消費貸借契約を結び、会社が役員に利息を払えば、その利息は会社の経費になる
- ただし役員側で利息が「雑所得」になり、同族会社の役員は少額(20万円以下)でも確定申告が必要
- 手間を避けるため、実務では「役員から会社への貸付は無利息」とすることが多い
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