経営者のバランス感覚|孫子の兵法

これまで「死ぬ」という感覚に程遠い立ち位置で生活してきたのですが、いまやっている「経営」は生きるか死ぬかの要素があって、まるで戦争のようだと感じるときがあります。

戦争で国家の命運を背負いながら、その期待に応え続けた人物として、「孫子」という人物がいます。

この方が書かれたとされる本が、その名の通り『孫子』という本です。

この本には、当時おびただしい生命を投入した戦場の血生臭いにおいが残っていて、現代では学ぶことのできない本物の処世術が残っている、そう感じるのです。


さて、よい経営者とは矛盾した存在だ、と言われます。積極的でありながら慎重で、楽観的な時もあれば、悲観的な時もある。策略的な時もあれば情に厚い時もある。

孫子の兵法でも、「五危」という話があって、将軍はこのどれか1つの性格に偏ってはいけないという話があります。

それはどういうことかというと、たとえ勇気のある人物がいたとしても、理性に欠ければ、ただの無謀です。

かといって慎重になりすぎて、ぐずぐずと決断をしなければ、好機を逸します。

またその一方で、どれだけチャレンジングな心を持っていたとしても、冷静に計画を練ることができなければ、キャッシュフローを毀損します。

はたまた、プライドを持つ事は、1人の経営者として大変重要なことではありますが、これもまた屈辱に耐えられるような忍耐力がなければ、見栄をはって大損をします。

優しさを持つ事もとても重要ですが、優しすぎると心身を消耗することになり、精神を病むでしょう。

このように、勇気、忍耐力、闘争心、プライド、優しさという5つの要素については、バランスが求められているのです。

孫子はこちらの5つの要素について、「危険」という漢字を使っているわけですから、最新の注意を払うべき要素と考えているのでしょう。

なお、これらのうちに、理性的だと、度胸があるとか、そういうものも入っていませんね。逆に考えれば、これ以外のものはいくら伸ばしても足りないということはない、と解釈してもいいと思います。